3日(『ウッドストック/愛と平和と音楽の3日間 ディレクターズカット版』を観た。)
(Wed, 04 Dec 2024)
オリジナルは1970年、監督・マイケル・ウォドレー、編集・マーティン・スコセッシ、アメリカ映画、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受けている。今日観たものは、1994年に製作された〈ディレクターズカット版〉。実に3時間44分の長尺である。調べて見たら、オリジナル版は3時間04分であった。40分も長くなった。ジェファーソン・エアプレインやジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリクスの映像が追加されたらしい。たぶん観るのは3回目。初めて観たのはオリジナル版、そしてディレクターズ..
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1日(関西芸術座を観た。)
(Mon, 02 Dec 2024)
winmail.dat『ムッシュー・フューグあるいは陸酔い』作・リリアーヌ・アトラン、訳・小島達雄+波多野茂弥、演出・亀井賢二、ABCホールにて。すごい戯曲があったもんだ。一読後、ため息をつきながら思った。上演を拒否してはいないが、上演にはなかなか辿りつけない、これはレーゼドラマというやつだ。さらに、誤解を恐れずいってしまえば、風の旅団など曲馬舘系列のアングラ演劇だ。京大西部講堂前広場で上演するのにピッタリな作品じゃないか。鉄条網がテントがわりで、舞台にモノホンの大型トラック..
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24日(劇団しし座を観た。)
(Tue, 26 Nov 2024)
winmail.dat『夜明け間際にフルコース』作・竹内介、演出・北川隆一、ABCホールにて。いわゆるファンタジーである。現在のこの世の中で、生きるためにファンタジーを必要としている人々がいるだろう。必要としているどころか、その世界の住人となってしまっているひとも、きっと多いに違いない、と思う。この芝居はそういった人たちに向けての演劇だろうか。大阪劇団協議会フェスティバル参加作品では、人形劇団クラルテさんの公演はまさしくファンタジーだった。だが、なにかが違う。人形と生身の俳優..
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23日(劇団きづがわを観た。)
(Tue, 26 Nov 2024)
winmail.dat『パートタイマー・秋子』作・永井愛、演出・林田時夫、大正コミュニティーセンターにて。あくまで個人的な感想ですが、ひと昔の新劇、あるいは商業演劇を見ているようだった。これは褒めコトバでもある。3時間近い長丁場を、飽きることなく安心して楽しめて、時間の長さは気にならなかった。俳優のみなさんの演技もアンサンブルもそつなく、経験の豊かさが感じ取れた。演出の林田さんの、作品への愛情の深さが舞台からビシバシと伝わってきた。主人公の秋子を演じられた林田彩さんの個性が活..
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17日(劇団大阪を観た。)
(Mon, 18 Nov 2024)
winmail.dat『親の顔が見たい』作・畑澤聖悟、演出・熊本一、谷町劇場にて。この戯曲は私にとってすごくキツイと感じるものだった。キツイというのは作品レヴェルのことではなく、その内容であり、登場人物に共感できないことにある。立場が逆転すれば共感、ということになるのかもしれないが。とはいえ戯曲に内在する力は圧倒的だ。四方客席で舞台を取り囲む。舞台でのやり取りを見守る私は、観客というより、会議室に招かれなかった2年3組の、生徒の保護者のひとりであるという気分にさせられる。ひと..
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10日(劇団往来を観た。)
(Mon, 11 Nov 2024)
winmail.dat『わさんぼん』という表題で、漢字で〈話三本〉と、フリガナならぬフリ漢字をふってある。和モノ3本立ての公演である。舞台美術は能舞台を模してはいるが、柔らかなタッチで、一ノ松、二ノ松などは、まるで、ぬいぐるみのようでカワイイ。暖かく緩やかな演技空間となっている。一人語り『要冷蔵の「愚行を繰り返す男」』作+演出+出演・要冷蔵。浴衣姿にカンカン帽をかぶった要さんが、縁台に腰をかけて、自らの失敗談を漫談風に。要さん、R1に出場するおつもりですか。狂言『食道楽』作・..
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2日(またしても劇団未来を観た。)
(Sun, 03 Nov 2024)
winmail.dat『わが友ヒットラー』作・三島由紀夫、演出・しまよしみち、未来ワークスタジオにて。劇団未来さんの今回の公演は、先週26日に観せていただいた『サド侯爵夫人』との、三島由紀夫戯曲の2本立てだ。週末金土日2週にわたって、作品を入れ替えながらの毎日3ステージというのは、その大変さがしのばれる。それにしても、合わせて18ステージ。自ら運営する稽古場兼上演スペースを維持し続けているがゆえであり、ご苦労もあるだろうが、うらやましくもある。『サド侯爵夫人』と、同じ舞台美術..
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27日(THE GO AND MO’Sを観た。)
(Tue, 29 Oct 2024)
『黒川寄席 DX Vol.3』脚本+出演・黒川猛、出演・福田恵+玉田玉山+大熊ねこ+二口大学、東福寺のSPACE LFANにて。黒川さんの落語台本を、4人の手練れが自由自在に演じる。パンダさんのアレは落語か?
ファンタスティック歌劇団の第2作といった感じでしたけれど。リラックスした気分でとっても楽しめる怒涛の100分でした。パンダさんが、ものすごく美しく神々しく見えたのはなにかの錯覚だろうか。あ、女神さまだっけ。
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26日(劇団未来を観た。)
(Tue, 29 Oct 2024)
winmail.dat『サド侯爵夫人』作・三島由紀夫、演出・松永泰明、未来ワークスタジオにて。客席に着き、まず、舞台美術の、抽象的な美しさにときめいた。が、である、純白で統一されてあるのに、しつらえてあるテーブルが焦げ茶色のリアルなもので、卓上の食器もまたである。空間と舞台上の置き道具に違和感があることに気づく。なにか仕掛けがあるのかと疑っていたら、確かにあった。だがそれに失望させられてしまった。俳優のみなさんの奮闘は称えるべきなのかもしれない。が、その奮闘は不要だったとしか..
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13日(劇団ジャブジャブサーキットを観た。)
(Tue, 15 Oct 2024)
winmail.dat『正劇オセロと貞奴』構成+演出・はせひろいち、〈劇中劇『正劇オセロ』原作・シェイクスピア、翻案・江見水陰、潤色・はせひろいち〉、ウイングフィールドにて。案内状をいただいて、これはオモシロそうな公演だと察知して、なんとしても観たい、と思いました。森田雅子先生の労作「貞奴物語
禁じられた演劇」(ナカニシヤ出版)で予習をしてから、劇場へ。簡単すぎる評伝的な流れと、劇中劇的な「正劇オセロ」の短縮版とを併せて65分くらいの上演で、これは意外。2時間前後の上演時間に..
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6日(劇団五期会を観た。)
(Mon, 07 Oct 2024)
winmail.dat『流れ星』作・宅間孝行、演出・井之上淳、ABCホールにて。五期会の若手中堅俳優さんたちの、進境の著しさを感じさせる楽しい舞台だった。演出の手つきは細やかで丁寧で、舞台への愛情を感じた。舞台というよりは俳優たちへの、かもしれない。昨日観た清流劇場さん同様、この舞台からも、吉本新喜劇の匂いを感じたのだが、それは戯曲に対してのものだ。現代劇を装いながら、魔女が出てきて魔法を使い、タイムマシンで過去へ戻り、という安易なありふれたファンタジーである。そういうモノガ..
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5日(清流劇場を観た。)
(Mon, 07 Oct 2024)
winmail.dat『ヘカベ、海を渡る』原作・エウリピデス、上演台本+演出・田中孝弥、一心寺シアター倶楽にて。原作を改変し、大阪弁での上演。私は、30年以上は昔に観た、吉本新喜劇による近松門左衛門の『曽根崎心中』を思い出していた。新喜劇の役者さんたちがギャグを封印して、まさかという古典への挑戦であった。演出はシアタースキャンダルの玉井敬友さん(お元気にしておられますか?)。ギリシア劇であるからして台詞が饒舌で心の裡までをコトバにしてしまう。大仰すぎる所作。そして音楽の自己主..
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3日(『方舟にのって』を観た。)
(Fri, 04 Oct 2024)
winmail.datサブ・タイトルに「イエスの方舟45年目の真実」とある。監督・佐井大紀、2024年、TBSテレビ。製作はTBSテレビだけど、劇場用ドキュメンタリー映画である。イエスの方舟という団体には、カルト教団として世間からバッシングを受けていたので、少しは興味を持っていました。おっちゃん、と信者から親しみを込めて呼ばれ、メディアからは、千石イエスと称された方そのひとにも興味がありました。当時、信者とされる方がたは若い女性ばかりで、みんな現代的でスマートな美人ぞろい。ハ..
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