DIARY

遊劇体主宰、キタモトマサヤによる日々のコラム。


blog遊劇体〜キタモトのひとりごと〜

26日(『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を観た。 (火, 27 2月 2024)
84年、アメリカ+西ドイツ合作映画、脚本+監督 ジム・ジャームッシュ。ラウンジ・リザーズのサクソフォーン奏者、ジョン・ルーリーが主演と音楽(ただし、作曲された音楽はクラシカルな弦楽四重合奏)、元ソニック・ユースのドラマー、リチャード・エドソンと、たぶん映画デビューとなる新人(実は有名なアングラ劇団の演出家の娘さんだそうだ)の3人で奏でられるコメディといえばいいのかな。愚かしくももどかしい恋愛ものといえるかもしれない。モノクロで、ワン・シーンを忠実にワン・カットで、そしてカット..
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29日(『裸のランチ』を観た。) (Tue, 30 Jan 2024)
winmail.dat1991年、イギリス+カナダ合作映画、原作 ウィリアム・S・バロウズ、脚本+監督デヴィッド・クローネンバーグ。翌1992年の日本での公開時に映画館で観ている。パンフレットも大きなポスターも持っている。映画がオモシロかったので購入したのではない。映画の宣伝のお手伝いをして、もらったのだ。招待券で観た。この時期から何年間か、いくつかの映画の京都上映の、制作のお手伝い的な役割をしていた。初めて見た時の印象は、よくできた映画だと思ったが、自分とは距離のある、共感..
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23日(『白昼の通り魔』を観た。) (Sun, 28 Jan 2024)
1966年、松竹映画、原作 武田泰淳、脚本 田村孟、監督 大島渚。犯罪をあつかったドラマだけど、ミステリーという感じはしない。犯人と、犯人と関係を持った2人の女との、三角関係のひりひりする心理劇。農村と都会の対比、生き残る者と死んでゆく者。死を選びながら2度も生き残った主人公の、生命力の力強さが、戦後の日本の新しい風景とつながるのかもしれない。テンポの良い展開、カットバックの多用、異常なクローズ・アップ、モノクロ映像の光と影、鏡の意味ありげな使用など、演出が尋常でない。
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22日(『ミステリー・トレイン』を観た。) (Sun, 28 Jan 2024)
winmail.dat1989年、アメリカ映画、脚本+監督 ジム・ジャームッシュ、89年のカンヌ映画祭で、最優秀芸術貢献賞というのを受賞している。構成がオモシロく、3組の登場人物たちのそれぞれの出来事が、オムニバス形式で描かれるのですが、各3つのストーリが同時進行しており、お互いに影響しあうというカラクリ。ただ、ドラマとしては、そんな大した内容ではないように私は思った。俳優として、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスやザ・クラッシュのジョー・ストラマーが出演しているし、音楽はラウ..
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21日(『全身小説家』を観た。) (Sun, 28 Jan 2024)
1994年、疾走プロダクション、監督+撮影 原一男。キネマ旬報1994年度ベストワン日本映画作品賞第1位。原監督の前作があの『ゆきゆきて、神軍』なわけでありますから、ある予感めいたものを感じながら2時間37分を観るわけです。その予感は徐々にそこここに姿を現し始め、大きな疲労感とともに観終えることとなるわけです。オモシロい映画だった。だけど、もう一度観たい、とはならない、私の場合は。主人公の不気味さばかりが漂い続ける映画なのだ。自分の経歴をフィクションで粉飾して、自作の小説や詩..
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16日(『イージー・ライダー』を観た。) (Sun, 28 Jan 2024)
1969年、アメリカ映画、製作 ピーター・フォンダ、脚本 ピーター・フォンダ+デニス・ホッパー+テリー・サザーン、監督 デニス・ホッパー。すでに何度か観ているのであの衝撃のラスト・シーンは知っている。それゆえか、うら寂しい気分で観た。悪い意味ではない。一般人の異物(ヒッピー)を見る目がすごくいやらしい。『七人の侍』の百姓が、侍を見る目とどこかしら似ているようにも思われた。一般人の方が社会的に強い存在であることがこの映画の悲劇性だと思う。何度見ても、主人公たちがなぜマルディグラ..
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13日(遊劇体新年会。) (Mon, 15 Jan 2024)
遊劇体事務所にて。スタッフさんに、ゲストは『なんじゃ主水』で出演の孫高宏さん。17時半くらいからボチボチ呑み始めて、ああ、いつも通りの深更まで。楽しかったですけれど、私、苦しくなって、明け方、ゲロ吐きしました。久しぶりです。
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11日(『イレイザーヘッド』を観た。) (Fri, 12 Jan 2024)
winmail.dat1977年、アメリカ映画、脚本+監督 デイヴィッド・リンチ。日本公開時に映画館で観ているのだが、指折り数えれば43年も前、二十歳代前半でのことである。同時期に観た『ストーカー』(アンドレイ・タルコフスキー監督)とともに、私の愛する生涯ベスト2の美しい映画である。ベスト3にするならば、少し遅れて観た、やはりタルコフスキー監督の『ソラリス』が加わる。『イレイザーヘッド』は(『ストーカー』も『ソラリス』も、だけれど)音楽もまた素晴らしく、インダストリアルなノイ..
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2日のつづき(『七人の侍』を観た。) (Wed, 03 Jan 2024)
1954年東宝映画、脚本 黒澤明+橋本忍+小国英雄、監督 黒澤明。何度観ても圧倒的に凄い映画。百姓と武士との、結局は相いれない存在の虚しさ。ニンゲンの狡さ、悲しさ、そしてやさしさ。志村喬さん演じる勘兵衛、宮口精二さん演じる勘兵衛が、やたらとカッコいい。三船敏郎さんの菊千代さんがやたらと三枚目なところもまたいい。
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2日(次回作『微風の盆』の、メモにもならない覚書。) (Tue, 02 Jan 2024)
winmail.dat深夜2時に目が覚めてしまって、無意識のうちに布団の中で、『微風の盆』という芝居について、モノガタリの流れだとか、枝葉となることども、そして演出のプランだとかを練り込んでいた。2時間くらいかけてラストシーンまで到達して、ラストの台詞と絵について納得できるものが見つかったので、安心して、二度寝をしてしまった。そして、もう今は、覚えていない。どうしても思い出せない。新しい発見があった。私の役者としての出番は、ほぼ無かった。登場人物5人でも充分にまかなえる。キャ..
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1日(謹賀新年。) (Mon, 01 Jan 2024)
winmail.datあけましておめでとうございます。と、書き込みながら、はて、どなたに向けて新年のあいさつをしているのだろうと、不可解な気持ちになる私です。昨年は2作品も新作公演ができたし、幸せな年だったです。しかしコロナ禍が終息を迎えつつあるとはいえ、物価高騰、政治家の悪徳の露見(そもそも信用なんかしちゃあいないけれど)など、私の住む国では、経済も政治も、なんだったら芸術も、最悪に等しいです。外に目を向ければ、人間同士の殺し合い、領土の奪い合い、地球規模での気候の急変など..
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29日(『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』を観た。) (Sat, 30 Dec 2023)
winmail.dat1990年、イギリス映画、脚本+監督 トム・ストッパード、1990年ヴェネチア映画祭グランプリ(金獅子賞)受賞作品。1966年に初演された戯曲を作者自身が映画化。シェイクスピアの『ハムレット』を、超端役で登場する(登場していないに等しいのだが)ローゼンクランツとギルデスターンのコンビふたりをを主人公にして、ドラマの裏側からみたら、という作品だ。主人公のふたりの会話が、事情が呑み込めないままに無駄に(ということではないんだろうけれど)進行してゆく。それがジ..
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23日(『パーフェクト・デイズ』を観た。) (Sun, 24 Dec 2023)
winmail.dat2023年、日本+ドイツ合作映画、脚本 ヴィム・ヴェンダース+高崎卓馬、監督 ヴィム・ヴェンダース。主人公の日常を俯瞰することによって、自身の人生が愛おしくなる。自身の日常に対して背筋がピンとなるというか、精神が浄化されてゆく映画。それに、音楽映画、って側面もあるんじゃないだろうかというくらい、音楽の比重が大きかった。しかも私の好きなアーティストばかり。11曲中9曲はレコードで持っている、という、選曲したヴィム・ヴェンダース監督との趣味の一致。選曲にあた..
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22日(『寺子屋』を観た。)- (Sat, 23 Dec 2023)
『菅原伝授手習鑑』より四段目『寺子屋』の段を観た。松王丸・八世 松本幸四郎(現・白鷗)、武部源蔵・十三世 片岡仁左衛門、戸浪・中村芝翫、千代・二世 中村鴈治郎、1975年、歌舞伎座での録画、NHKで放送されたもの。ツッコミどころ満載だけれど、それが歌舞伎のオモシロさだと私は思う。所作や顔の演技、足の運び、間と息など、何度も繰り返し見たい箇所がある。勉強として観たのではないけれど、勉強になる。
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いつもいつもマチガイだらけでスミマセン。 (Fri, 22 Dec 2023)
日本でのタイト表記は『パリ, テクサス』だけど、韻を踏んで『パリス, テキサス』であるべきだと思った。別にフランスのパリは関係ないんだし。日本でのタイトル表記は『パリ, テキサス』です。失礼いたしました。
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